儘ならぬ癖に生まれつく

好き作品とかのメモ。TRPGが趣味。ネタバレしない主義。令和3年からボドゲ(麻雀)始めた。

読んだやつ『赤』 と、ぼやき

『厭な物語』より『赤』

books.bunshun.jp

実のところ、140 字以上の文章が読めない。
3行以上の文は読んだ気になっているだけで、殆ど理解できていないと思っている。

長編は 勢いに乗ってイッキ読み or リタイア の賭けになるので、主に短編集を選ぶ。
しかもその中でもページ数の少なめの作品から好んで食っていくのだが

 

『赤』 リチャード・クリスチャン・マシスン

 総ページ数 4ページ


4ページ、しかも文庫サイズ。年末調整の書類より少ない。これなら読める。読めた、オゥ…となった。


映像、音声、文字、表現の方法それぞれに特性があるが、文字だからこそできる「嫌な感じ」演出が好きだ。

「厭」を集めたアンソロジーであるので、勿論これも厭な物語。
嫌なことが起こるのはわかっているが、それに気づいてしまった時の「アッ……」←コレ、この感覚が良い。

 

その方法ならではのテクって、なんか良い。
自分はTRPGでやりたい事が浮かんだ時、なんでもかんでもシノビガミにしたがる癖がある。

これを機にそのシステムの良さを生かした何かが出来るようになると良いな、と思うだけは思った、多分やらない。


ちなみに、作品内で起こる出来事自体は全然よくない。大変、非常によろしくない。


 

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以下、ぼやき 「クズを患って」

 当方、忍耐力がなく、地道な努力の積み重ねができない。

故に毎週×12回、30分間椅子に座り画面を眺めるのが億劫でアニメは続かず、ソシャゲは2週間で飽きる、2時間おとなしく座っていられないので映画は1.2倍速かける。

そんなクズという病を抱えながらも快楽には貪欲、楽して萌えとエモを得たい。

その欲望を満たすべく、最近たどり着いた方法が「読書」


時間を選ばない、予めページ数がわかっているのでゴールが明確、飽きたらそこでやめられる、読みたいところだけ読み、すっ飛ばしてもいい。
映像作品より妄想の余地が広く、自分好みをしやすい。
内容がよくわからなかったなら、ネットの海を適当に漁れば賢そうな人の丁寧な解説があるのでわかった気になれる。
その癖、あたかも真人間の趣味(オブラートに包むことなく履歴書に書ける)の扱いをされている


この趣味、なんだか得だし楽だ。


そういえば「萌えとエモ」って回文か…いとをかし

読んだやつ『愛はさだめ、さだめは死』 とフィアスコ

 愛はさだめ、さだめは死

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12本の短編+コラム?が入った短編集。その11番目がタイトルにもなっている『愛はさだめ、さだめは死』

タイトルのエモカッコよさに惹かれ、いの一番にそれだけ読み、「好き」に狂ってしまった。

 

一人称の語り形式だが、独り言に近い。少なくとも我々人間に向けて語り掛けているわけではなく、自己紹介も、状況説明も何もないまま始まる。

その為、主人公が一体何なのかが初めはわからない。

読み進める程に我々人間が知らない身体パーツ名、知らない単語が、彼らにとって当たり前のモノとしてポンポコ出てくる。

そこから想像していくことしかできないのだが…主人公が人間ではないナニかであることは確実だ、冒頭ですぐに判明する。

 

主人公の表現や語り口が独特であるということを除けば、内容は「バケモノの生態観察日記」のようなものだ。

途中から、なんとなくオチも読めてくる。衝撃の展開があるわけでもない。

だがそれは、我々が「人間」として彼の語りを聞いているからであって、彼らは何も知らないのだ…この差が…好きだ………

TRPGにおいても「PLは知っているがPCは知らない」という状況が好きな筆者にはご褒美、ありがとう…

 

この作品好きな方、TRPGの フィアスコ との相性が良い気がしている  

harrowhill.rdy.jp

ハロウ・ヒルさんのシステム。

最低3人くらいから、GMレス、短時間でも終わる(終わらせられる)し、やろうと思えば何時間でも遊んでられる、予定修羅民にも優しい仕様。

公式や有志でプレイセットが配布されており、何度でも同じもので遊べる。

癖が合うプレイヤー同士で君だけの楽しい地獄を錬成しよう!

 

『愛はさだめ、さだめは死』はそのプレイセット1本作れそうな気がする…

まぁ、今の筆者が何か作るとしたらなんでもシノビガミにしてしまうのでやらないが

 異形のモノが「本能」に翻弄されながらもそれと戦い、愛を育む、そんなシチュエーションが好きな方、是非読んでくれ、そして筆者と卓をしてくれ…

 

読んだやつ『春にして君を離れ』

春にして君を離れ

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先日Google検索で「小説 タイトル かっこいい」でググり、ひっかかったページを流し見していて気付いた。

アガサ・クリスティーの作品タイトル、カッコイイ…

 

アガサ・クリスティーと言えば推理小説作家のイメージが強い。

犯人探しだのトリック解明だの、脳味噌を働かせる読書とは縁遠いところで生きてきた為、推理小説作家というだけで敬遠してきたのだが

この作品、元はアガサ・クリスティーではなく「メアリ・ウェストマコット」名義。推理小説のジャンルではない、多分。

 

ネタバレすると、殺人は起きない。

かわりに心は殺される。(諸説ある)

 

優しい旦那、可愛い子供、理想的な家庭で完璧な妻/母親として生活を営む主人公、ジェーンの一人語りで話は進む。

進む、といっても大したことはおこらない。病気をした娘の見舞いの為に訪れたバグダッドを発った彼女が、イギリスの自宅にたどり着く、ただそれだけ。

旅は滞りなく進むわけではないものの、突然人が死ぬ!といった大きなイベントは一切起きない。ほんとに。

 

だがしかし、読み出し1/5で胸が詰まり、半分越えたあたりで心が砕けかけ、藁にすがる思いで駆け抜けた最後の最後のクロスカウンターで、情緒は無事にご臨終した。

常にしんどい、そして怖い。

つまらないわけではなく、むしろどんどん引き込まれていくが、読めば読むほどに背筋が凍っていく。

主人公の語りが、心の柔い部分をえぐりまくる。共感性羞恥、そんな言葉があったな、そう、多分そんな感じの…

 

何がどのように怖いのか詳しく説明しても良いのだが、それを知ってしまったら、初見で読んだときのしんどさが減るだろう。それはフェアじゃない。

興味を持った人間、読んで皆自分と同じ酷い目に合ってほしい、という私怨もあって、記事としてしたためているのだ、フェアに苦しんでほしい。

 

人間は…なんて残酷な生き物なんだ……(クソデカ主語

しんどい…だが、この読後感…嗚呼…と声が漏れるこの感覚…

きっとこの感覚を「エモい」とヒトは名付けるのだろう…エモ…

 

 めちゃくちゃに人を選ぶ作品だと思われる。特に「そういう」家庭環境に覚えがあると、キツくなる描写が多々ある。

誰かがこの作品を読み、筆者と共に苦しんで欲しいとは思っているが、病んで欲しいわけではない。情緒には死んでほしいと思ってる。

 

筆者はこの作品が色々な部位に刺さってしまい、心の傷癒えぬまま、続けざまに同作者の作品を2冊衝動買いした。『終わりなき夜に生まれつく』『愛の重さ』の2冊だ。

たった3冊読んだ程度で作者の批評なんぞできやしない。

だが、少なくともこの3冊のアガサ・クリスティのジャンルは「闇のオタク」

絶対に、光ではない、絶対に。新たに出来た傷から噴き出す血に塗れたこの手で力いっぱい「闇のオタク認定判子」を押してやる。

 

しんどい、だが嫌いではない、いや、好きだ。

 

 

読んだやつ『天の光は全て星』 とシノビガミ

天の光は全て星

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一部の界隈には名の知れたタイトルなのかもしれない。

天元突破グレンラガン』の最終話のタイトルはここからとられている。

この作品を読んでからもう一度観返してみたが…1話から、嗚呼…という声が漏れたので、これを履修してからのドリリング、おすすめだ。

 

恥ずかしながら筆者、いい歳こいてSF小説を殆ど履修してこなかった。

シノビガミのとある同人シナリオに出すキャラクターの奥義名をSF作品からとりたい」というクソくだらない理由で、短期間で3冊ほど読んだうちの1冊がこれだった。

 表向きは冷めているが実はロマンチストな中年男性を作ろう!ということでそれっぽい作品&を検索した。

(以下、小説の何分の1くらいまではこんな内容である~といった構成ネタバレ)

 

 

正直に言うと、中盤までは退屈だった。序盤で引き込まれたものの、中盤は読み飛ばしてしまった。

筆者の中では SF小説=「近未来の、宇宙とかすげぇ世界で繰り広げられる物語」というイメージがあった。それもあって、自室と地上と今の生活を何よりも愛する故に今まで触れることが無かったのだが、この物語は地球の地上で進んでいく。

宇宙計画が下火になってしまった世界。元宇宙飛行士のオッサンの視界の端に、とある女性議員がかかげた木製探査計画という公約が映る。それを成功させようとオッサンが奮闘する…といったストーリー。興味を持った生きとし生けるモノは文庫の裏表紙/商品説明の概要文がめちゃめちゃエモいのでそれを読んでほしい。

 

このオッサン、かなりの宇宙フリークスで(作品内では「星屑」と呼ばれている)、走り出したら止まらない行動力の塊だ。筆者は感心すると同時にちょっと引いた。
主人公とよく絡む女性議員がこれまた魅力的な女性で、他登場人物も良いキャラばかりだ。

 序盤~中盤というか4/5くらいまでは、そんなリア充オッサンの奮闘劇で、じめじめとした石の裏で出来るかぎり動かずひっそり生きる、陽のモノとは真逆の筆者は、素直に楽しめなかった。

 

のだが!

最後まで読んで、本当によかった…主人公、大好きだ……
生きる世界が違う陽キャだとちょっと嫌いになってすまなかった…確かに筆者とは別の種族だが…愛した……本当に……ありがとう………

 

この感覚を誰かと共有したい…
だが自分の能力ではこの余韻を…「良さ」を文字言葉で伝えられない……

 

宣伝力がパネェ、フォロワー10万人いる垢が欲しいと強く願った。

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当初の目的であったシノビガミのキャラクターの奥義は

1つ目は「たったふつの冴えた方法」(追加忍法/かばう&荒行)

2つ目は「天の光は全て星」(不死身)

になった。1つ目はもじりっているが、有名なアレである。どちらの作品の主人公も、宇宙に夢見るヒト(少女/オッサン)だ。
内容と結末を知っている筆者は「エッモ!!自分のセンス最強!!!」と1人で唸ったが、メンバーに両方読破済みの方はいない気がする。自己満足。

キャラはアルコール(変調)キめまくって朽木パンチで殴るだけの脳筋上忍。セッションが楽しすぎてドチャクソ引きずった、未だに引きずってる。TRPGシノビガミ、タノシイ

観たやつ『異端の鳥』

異端の鳥
www.transformer.co.jp

 

一か月ほど前、11/1に映画館にて。

イッタランドの推しフォロワーが「誰か見てくれ…そして感想を共有しよう…」と呻いていた為、なんとなく検索。偶然にも地元の映画館で上映されていた為、ノリでチケットを取り、フラッと観に行った。

 

3時間耐久!メンタル複雑骨折 地獄巡りの旅!!

(犬が死ぬ系映画が無理なタイプは見てはいけないヨ!)

 

色もなく(白黒)、BGMも殆どなく、淡々と進む画面。

予備知識無しに行ってしまったせいもあるが、主人公の置かれた状況背景その他、何が何だか分からないまま、理不尽な出来事がわんこ蕎麦してくる。

少ない会話の中から徐々に理由のようなものがわかってくるものの、それでも「ドウシテ…ドウシテ…??」とならざるを得ない。

状況の理解という点については、おそらく歴史の知識も察する能力が微塵もない筆者と主人公の少年は近いモノがあったのではないだろうか。

したくもないのに感情移入をさせられてしまった。ヤメロ…タスケテ…無理………

 

上映時間は長いのだが、展開が早いので時間の流れは早く感じた。
(悲惨な状況であることを除けば)映像の雰囲気は綺麗で見ていて飽きないし、こちらの感情を揺さぶろうとするようなイラつく演出もない。生まれて初めて座ったプレミアムシートによって尻の耐久力も十分にある。

にもかかわらず、もうだめだ、いっそもう殺せ…早く終わってくれ…と願った映画も生まれて初めてだった…

白黒だからこそなのだろうか、人間の視線がアップになるとき、此方を見る目が怖い
白目の中の黒目のコントラスト、はこんなにも目立つんだな…と、ただでさえ人の顔を見て喋るのが苦手、それに拍車がかかる気がする体験だった。

 

酷い目にあった、というだけのメモ書きだが、性癖記録の為のメモに残しておこうと思うくらいには、色々…あったんだが…何も言えない…

 

プレミアムシートは身体は守っても精神は守ってくれない。

傷だらけの心は推しフォロワーと感想戦をすることでちょっとだけ癒された、気になっている

やったやつ『上海摩天楼』

サークル 戯言脳髄Laboratoryさんのクトゥルフ神話TRPGシナリオ集「上海摩天楼」

 

「ハリウッド映画スタイルのキャンペーンシナリオ」をコンセプトに作られたこのシナリオ集には、合計9本のシナリオが掲載されている。

 

1話あたり3時間程度、各話に探索者としてシナリオに参加する目的と盛り上がりが用意されているものの、それぞれが完全に独立したシナリオではなく、本編orダークサイドを同じPC達で継続するキャンペーンという前提のものだ。

感覚としては本編(全5章)とボーナストラック(全4章)の、2本の長編シナリオ といった感じだ。

 

先日、こちらのシナリオ集掲載の「上海摩天楼」EP1~5をPLとして遊ばせていただいた。
ボーナストラックにあたるThe Dark Sideはまた後日、ということで一先ず本編のみの感想をば。
といってもネタバレは全く無く、PLとして&シナリオ集を読んで推せる…と感じた点を箇条書きにした。

 

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▼PLとして嬉しかったこと
①頑張らなくてもカッコよくなれる
②冷や汗かける難易度
③日程調整難易度高め民でもやりやすい
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①頑張らなくてもカッコよくなれる

PLとしてプレイして、このシナリオはPLの努力で展開を切り開かなければならない部分が少なく、用意された演出と探索を行えばストーリーが展開していくタイプのものだと感じた。

その為、演出を味わったりNPCと会話したり、直接的には問題解決につながらない部分にリソースを割くことができる、つまり世界観に浸ることに集中できるのだ。

個人的に嬉しいと思った部分は、PLにストーリーを把握させる部分で察し力を求めてこない、という点だ。

何故この人物がその行動をとったか、この情報にはどのような意味があるのか?等、物語の流れに必要な「察し」部分が、自動で開示or難易度の低いダイスロールで情報としてPLに与えられる。それのおかげで、オツムが弱めの筆者でも迷走も置いて枯れることもなく物語についていくことができた。

また、NPC達が頻繁にPCへ答えやすい問いかけをしてくる為、キャラクターRPが苦手なPL(筆者)でも、キャラクターとして発言することで、映画の主人公気分を味わえる。スゴク・ヤサシイ。

 

②冷や汗かける難易度

①にて PLの努力で展開を切り開かなければならない部分が少ない、と書いたが、難易度がとても低い、という意味では決してない。

実際、我々のチームは1人がしょっぱな生命力0になったし、別の一人は途中で正気度0の廃人となった。
今回、自分達は7版ルールで行ったということもあるだろうが、エネミーとの戦闘は割と容赦がないし、正気度はゴリゴリ持ってかれる。

戦闘に関しては、PC達は【Ark(アーク)】という特殊組織の工作員である為、銃の所持を許可されている為、派手なアクションが楽しめる。

銃火器はデータが多すぎて多少厄介だが、シナリオ集に支給武器としてのデータも用意されている為、ルルブを捲って頭を抱える心配もない。ヤッタゼ!

③日程調整難易度高め民でもやりやすい
1本の長編シナリオであれば数日に分ける場合のタイムキーパリングや日程確保に迷うところだが、本編はEP1話あたり3時間、長くても4時間。×5が確定してる。

各話の間が空いてしまう、これは卓修羅民のあるあるだと思う。

だがこのシナリオ集はなんとシナリオの方で前回のあらすじと人物相関図が用意されているのだ。PLのフワフワな記憶に頼らずとも、前回のおさらいができる安心感、幸甚…

 

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▼シナリオ集を読んで推せたところ
①シナリオ集を購入するとPLに配る用のすべての情報のテキストデータ&マップ&NPC画像データが付いてくる。

②シナリオの概要、フローチャートが丁寧

③そのまま読み上げられる描写、台詞が豊富

④情報の意味やPLへの誘導の仕方が詳細に書かれている

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読み込みしてない&KP予定はないので詳細は省く。

実際に シナリオを回してみると、更に気付ける事があるかもしれない。

 

…と、一切内容に触れることなく色々書いてきたが、なんとこのシナリオ集、EP1が無料で公開されている。

labans-lab.booth.pm

無料公開されているのはデータ版であるが、2020年2月17日現在、シナリオ集は書籍でのみ販売されている。
今ならメロンブックスでポチれるようだ。

筆者はこちらの書籍をC97にて購入させていただいた。

表紙が映画のポスターのようになっており、美女やショタ、オッサンまで幅広い層の需要を満たすキャラクターが描かれている。そして、皆、顔がいい。

ちなみに筆者の推しは右上のペンを持っているキャラクターだ。

見た目通りの(?)良いキャラをしているので、会った際はよろしくな…!