読んだやつ『愛はさだめ、さだめは死』 とフィアスコ
愛はさだめ、さだめは死
12本の短編+コラム?が入った短編集。その11番目がタイトルにもなっている『愛はさだめ、さだめは死』
タイトルのエモカッコよさに惹かれ、いの一番にそれだけ読み、「好き」に狂ってしまった。
一人称の語り形式だが、独り言に近い。少なくとも我々人間に向けて語り掛けているわけではなく、自己紹介も、状況説明も何もないまま始まる。
その為、主人公が一体何なのかが初めはわからない。
読み進める程に我々人間が知らない身体パーツ名、知らない単語が、彼らにとって当たり前のモノとしてポンポコ出てくる。
そこから想像していくことしかできないのだが…主人公が人間ではないナニかであることは確実だ、冒頭ですぐに判明する。
主人公の表現や語り口が独特であるということを除けば、内容は「バケモノの生態観察日記」のようなものだ。
途中から、なんとなくオチも読めてくる。衝撃の展開があるわけでもない。
だがそれは、我々が「人間」として彼の語りを聞いているからであって、彼らは何も知らないのだ…この差が…好きだ………
TRPGにおいても「PLは知っているがPCは知らない」という状況が好きな筆者にはご褒美、ありがとう…
この作品好きな方、TRPGの フィアスコ との相性が良い気がしている
ハロウ・ヒルさんのシステム。
最低3人くらいから、GMレス、短時間でも終わる(終わらせられる)し、やろうと思えば何時間でも遊んでられる、予定修羅民にも優しい仕様。
公式や有志でプレイセットが配布されており、何度でも同じもので遊べる。
癖が合うプレイヤー同士で君だけの楽しい地獄を錬成しよう!
『愛はさだめ、さだめは死』はそのプレイセット1本作れそうな気がする…
まぁ、今の筆者が何か作るとしたらなんでもシノビガミにしてしまうのでやらないが
異形のモノが「本能」に翻弄されながらもそれと戦い、愛を育む、そんなシチュエーションが好きな方、是非読んでくれ、そして筆者と卓をしてくれ…